みなりん*氏によるcoincheckクラッカーへのマーキングはなにをやっているのか

 みなりん*氏によるcoincheckクラッカーへのマーキング行為がJK17というバズワードとともに界隈で話題になっている。即応性と根気強さにおいてみなりん*氏を賞賛したい。すごい。

 しかし、実は行っていること自体は全てNEMの標準機能を使用しており、しっかり準備すれば誰にでも行えることであるのも確かである。その手軽さもNEMの特徴と言える。みなりん*氏が犯人のアドレスを追跡しマーキングを行った方法を、NEMの機能の説明を交えながら解説する。

 特にビットコインなどに詳しい面々もNEMの実際の機能などについては意外と知らなかったりすることがわかったので整理していおきたい。

 

・coincheckから盗まれたXEMがどこに行ったのかを特定する

 匿名性の無い暗号通貨は取引の様子を誰でも確認することができる。coincheckのNEMアドレスがわかればクラッカーのアドレスを特定するのは容易だ。例えば以下のNEMBEX(NEM Block Chain Explorer)で表示されたアカウントがcoincheckのアカウントである。

http://explorer.ournem.com/#/s_account?account=NC3BI3DNMR2PGEOOMP2NKXQGSAKMS7GYRKVA5CSZ

何を見ればいいのかわからない人はスクロールして2018-01-26 00:02:13以降のトランザクションを確認してみよう。

・NEMのモザイクとは

 今回マーキングに使用されたNEMのモザイクとは、NEMネットワーク上で独自のトークンを作成できる機能である。トークンというのは「ポイントカードのポイント」や「地域通貨」、もっと身近な例では「肩叩き券」のようなものであり、通貨の域には達していないが、ある限定された範囲で使用できる通貨の「ようなもの」である。NEMのネットワークに手数料を払えば誰でも自由にモザイクと呼ばれるトークンを発行することができる。

 NEMのモザイクの作成を行う際には、「名前」、「説明」、「発行数」、「発行数のロックの有無」の他に「徴収」を設定できる。この徴収の設定が今回のマーキングに使用されたモザイクの肝である。

 

・徴収とは

 徴収とはモザイクを送金する時に送信者が支払う手数料のことだ。送信手数料と言ったほうが通りがいいが、モザイクを作成する人が送信手数料を「徴収」することができるという機能なので、こういう言い方になる。

 NEMのモザイクを作成すると、徴収の量と種類、送り先を設定することができる。もちろん設定しなくても良い。この機能により、頻繁に独自トークンが取引されるようなサービスの収益化を行うなどの利用が想定されている。

 ところでモザイクの徴収の対象は「XEM」というNEMネットワークの基軸通貨だけでなく、自由に「モザイク」を設定できる。

NEMの公式クライアントであるNANOWalletでのモザイク作成画面
NEMの公式クライアントであるNANOWalletでのモザイク作成画面。徴収するモザイクをXEM以外にも自由に設定できる。

 

・みなりん*氏のマーキング=アドレスから剥がせないモザイクとは?

 別に直接確認したわけではないのでみなりん*氏の手法と細かい部分に違いがある可能性があるが、特定のアドレスに送りつけて剥がせなくするモザイクの作り方を説明する。

 まず2種類のモザイクを発行する。

 1つは発行者のみが所有し、他の誰にも送金していないモザイクである。これをAモザイクとする。次に発行するモザイクは徴収にAモザイクを設定したモザイクである。これが今回犯人のアドレスに送られマーキングに使用されたモザイクだ。これをBモザイクとする。

 犯人にBモザイクを送信すると手数料としてAモザイクが徴収される。徴収先を自分にしておけば、自分で支払い自分で受け取るのでAモザイクの残高は結果的に変化しない。一方、犯人はAモザイクを持っていないので送られたBモザイクを誰にも送信することができない。手数料不足で不正なトランザクションとして弾かれてしまう。そもそもAモザイクは発行者が自分のアドレスに全て保有しているため、どこかでAモザイクを手に入れることも不可能である。

 犯人が盗みだしたXEMを別のアカウントに移すたびに、常時監視しているみなりん*氏がここで言う「Bモザイク」を犯人の新しいアドレスに送りつけている。そのため他の人間が、あるアドレスについてクラッカーのものかどうかを確認したかったらBモザイクの有無を確認するだけでいい。

 もちろん自分でcoincheckのアドレスから盗まれたXEMの流れを調べてアドレスを確認することも可能だが、犯人が大量のアドレスを経由してXEMを送金し撹乱した場合のことを考えると、みなりん*氏がやっていることは非常に効果的であると言える。

 これにより取引所やXEMを扱うお店などで犯人が盗みだしたXEMを使用するのは非常に困難になった。

・間違えてマーキングしてしまったら?

 間違った人にBモザイクを送ってしまったり、犯人が反省してcoincheckにXEMを返却した場合、モザイクを剥がす必要が出てくるかもしれない。その場合手数料分のAモザイクをそのアドレスに送ってあげれば、みなりん*氏にBモザイクを送り返すことができる(ちなみに譲渡許可という機能があり、みなりん*氏以外に送り返せないようにモザイクを設定することも可能。おそらく実施している。)

・相手のNEMアドレスが犯人のものかを確認する方法

 現在犯人は一般人のアドレスに無作為(?)にXEMを送っているようだ。NEMを使用している人は身に覚えのないXEMが知らない誰かから送られて来た時に、それがcoincheckハッキング犯のものなのか、ただの善意の匿名寄付なのか確認する必要がある。

 例えばその送金元が、「NDDZVF32WB3LWRNG3IVGHCOCAZWENCNRGEZJVCJI」というアドレスだった場合。それを確認する一番早い方法はNEMBEXで検索することだ。

 

http://chain.nem.ninja/#/blocks/0

http://chain.nem.ninja/#/search/NDDZVF32WB3LWRNG3IVGHCOCAZWENCNRGEZJVCJI

画面中程に所有するモザイク一覧が表示される。そこにみなりん*氏からのメッセージが読み取れるだろう。

 

すなわち、これがクラッカーのアドレスであることがわかる。

 もし、このようなことがあった場合は、クラッカーから送られた金額分のXEMは保持したままにし、NEM財団やcoincheck側の指示が発表されるのを待つようにとアナウンスされている。監視は行われているものの、普通のアカウントにXEMが送られた場合にみなりん*氏のマーキングが行われるということは無いようなので安心して欲しい。

【いらすとやでわかる】8月1日ビットコインが分裂したりしなかったりするシナリオ

古い記事にたくさん人が来ていて混乱させては申し訳ないので続きを書くことにします。
これを読めば読んだ人はさらなる混乱に叩き落とされることうけあいです。
技術的な話はいろんな人がしているので、もっとなんかこう雰囲気が伝わる感じに書いていきたいと思います。

 

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【いらすとやでわかる】ビットコイン分裂後のシナリオ

前回の記事は既に古い話なので読まなくてもいいですが、用語の解説とか必要な人は前提知識とか載ってるので読んでも良いかも。

ビットコインアンリミテッド(BU)のその後の顛末

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大手のマイナー(マイナーの意味がわからない人は前記事参照)が主導するビットコインアンリミテッド(BU)がsegwitという新技術の導入を拒み、ビットコインをハードフォークすると騒いでいたのが前回の記事までの流れでした。
その後、取引所がBUの通貨BTUをビットコイン(BTC)とは別に扱うと声明を出したり、BUを主導していたマイナーのAntpoolがビットコインのシステムの弱いところを突いて「ずる(Antboost)」していたことが判明したりしました。segwitが導入されるとそのズルはできなくなります。
さらに畳み掛けるようにAntpoolが開発販売しているAntminerというビットコインをマイニングする装置にバックドア的なバグがあることがバレたりして、BUへの風当たりが大きくなると同時にBUによるハードフォークもトーンダウンしていきました。
というわけで、「BUがハードフォークしても誰も支持しねえだろ」という雰囲気になり、ひとまず分裂の危機は去った、
……かと思われたのでした。

UASF/BIP148の登場

BU爆誕の危機は去ったように見えました。
しかし、ちょっと話を遡って、そもそもBUが騒いでいた原因は何だったのかという話を説明します。
それはつまりビットコインが詰まっていたという話です。
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詰まっていたのはビットコインの取引。

 

ビットコインを「使っている」方なら知っていることですが、ここ数カ月ビットコインの送金手数料が『銀行の振込手数料並に』高価になり、
送金手数料をケチると全然取引が完了しない。という現象が起こっていました。

 

ビットコインの取引は始め、mempoolというところに集められマイナーがそれをひとつのブロックにまとめて検証・承認することで取引が記録される仕組みです。マイナーは取引の手数料をもらえるので、とうぜん手数料を多く払った取引を先に承認しようとします。そのため、取引が混雑してくると、支払った手数料の低い取引(送金)は後回しにされ取引の成立にものすごい時間がかかります。

 

先月なんて酷い時は、数十分で送金するのに日本円で数百円の手数料を払わないといけなかったり、数円分の手数料だと承認まで1週間待たされたり、最悪取引が行方不明になったりという酷い混乱っぷりでした。

 

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BUはこの問題に対して、「一回に承認できる量を自由に大きくできるように変えようぜ」と言ってハードフォークしようとしていました。
一方でコア(コアってなにってひとも前回の記事参照)は「segwitという新技術を投入して承認する取引のデータ量を小さくしたまま取引量を増やせるしそれを早く導入しろ」
という主張をお互い展開していました(おそるべきざっくり説明)

 

結局さっき説明したようにBUハードフォークはトーンダウンしましたが、この問題は先送りになったまま。7月始めまでひどい混雑とmempoolの肥大化が続いていました。
ちなみにコレは重要な点ですがコアがsegwitを導入出来なかったのは、segwitの有効化に「マイナーの95%の同意が必要」というルールがあり、コアがsegwit対応のソフトを配ってもマイナーが対応してくれなかったからです。

 

BUとコアは対立したまま膠着状態、しかしビックカメラとかのおかげもありビットコインの取引量は増え続けていきました。

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そこに突然現れたのがUASF/BIP148です。

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説明しましょう。BIPとはビットコインに提案された技術的な提案のうち、有意味であるものを登録する仕組みです。
BIP148とは148番目のBIPであり、そこに提案されたのがUASFです。

 

UASFとBIP148を簡単に説明すると、

  1. segwitを有効化させたい。
  2. そこでsegwitを含むBIP148に対応したソフトを賛同者に配ります。
  3. BIP148に賛同する人や取引所、マイナーはそのソフトを使用して取引を行ったり取引を検証したりします。
  4. 8月1日になるとBIP148のソフトはsegwit対応じゃないマイナーが作った取引記録のブロックを不正なものとして強制的に『無視』します。
  5. 無視された取引はネットワークに流されず記録が消えてしまうためUASFに対応してないマイナーは報酬をもらえません。それは嫌なのでみんなUASFに対応します。
  6. すると自動的にみんなsegwitに対応する! というかBIP148に対応してない奴らは『無視』してるので当たり前です。
  7. 95%のしきい値を超えてsegwitが有効化します。バンザイ!

つまり、8/1日までにUASFが多数派になっていた場合、マイナーは取引記録をまとめたブロックを作って報酬をもらおうとしても、UASFに無効にされてしまう可能性があるため、確率的にUASFに対応したほうが得になります。
なので、UASFが多数派を取れれば、雪崩式にみんなUASFに対応しsegwitが有効になるわけです。

 

詳しくはこちらを読んでください。
GitHub – bitcoin/bips: Bitcoin Improvement Proposals
BIP-148の内容と影響について | ビットコイン研究所

 

しかしながら、ビットコインのUASFがごく少数だった場合はマイナーは損をする確率が少ないのでUASFに対応する必要がありません。そうするとUASFがいくら発動しても取引をまとめるマイナーがほとんど居ないため取引をさばけず通貨として使用できません。通貨の価値がないのでマイナーには参加する利点がなく、この悪循環でUASF/BIP148は先細りになり消えます。
あくまでユーザーや取引所などがUASF支持を表明し、UASF対応のソフトを動かして、「UASFに対応していないビットコインは使いません」、「UASFに対応していないブロックはネットワークに流しませんよ」と意思を示してしてマイナーに圧力をかける必要があるわけです。
UASF対応のソフトとは、ビットコインの取引を検証して伝播するノードのことなので以降「ノード」と呼びます。

 

さて、これまでのマイナー主導の強制的な仕様変更や、コアの提案する仕様変更とちがって、ビットコインを使うユーザーが主導的に意思表明をしてビットコインに変更を行う、ということでBIP148の賛同者と活動家は、

U(ユーザーによって)
A(アクティベイト=有効化される)
S(ソフト=互換性のある)
F(フォーク=分岐…仕様変更)
と名乗りました。

 

ユーザーの力によってsegwitを選択しビットコインの混雑を解消しようとしたわけです。

UASFの危険性と怒涛の展開、segwit2xの登場

ビットコインの政治をみると三権分立を思い起こさせられます。力をもつマイナーが内閣、技術に長けたコアが裁判所なら、UASFを主導するユーザーはそのまま、民衆とそれを代表する国会でしょう。

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愚衆政治という言葉がありますが、UASFにも強引すぎるやり方からいろいろと危険性が指摘されました。

 

例えばUASFが8/1日に発動した際に、ちょうどUASFの対応したノードがネットワークの半分位だった場合、取引が記録されたブロックは『承認されたりされなかったり』する可能性があります。*1
つまり、最悪な例だと、あるときビットコインを送金して、送金に成功したとしても次の日になったら取引が無効になっている可能性があります。そんな決済システム恐ろしくて誰も買い物とかに使えませんよね。
あと、UASFが実行された時にUASFのビットコインと元のビットコインが完全に2つに別れる(splitする)可能性があります。上の例よりはまだマシですが、前回の記事で説明したような混乱が起こるでしょう。

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そこに颯爽と現れたのがsegwit2x/BIP91、ニューヨークアグリーメント(NYA)です。

 

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さてそろそろうんざりしてきましたが一つづつ説明しましょう。
ニューヨークアグリ―メント(NYA)というのはニューヨークでマイナーやビットコイン関連企業・ユーザーなどがニューヨークのConsensus 2017とか言う会議で5月24日に合意した内容のことです。なんのこっちゃという感じですが、その内容がsegwit2xなのです。
segwit2xというのはsegwitを有効にして、そのあと少ししたらブロックサイズを2倍にしますよという合意のことです。この約束に沿ったソフトは現在急ピッチで開発が進められておりまだ完全なものは完成していません。ソフトの名前もsegwit2xです。
そして最後にこのsegwit2xを有効にする仕組みがBIP91です。BIP91はBIP148と似ような仕組みで、segwit有効化のための95%を実際には80%の同意で達成します。仕組みは単純。80%の同意に達した時点で、20%を無視して切り捨てます。そうすると自動的に95%以上になる、という仕組みです。
こう書くと明らかですが、マイナー版のBIP148だと考えればいいでしょう。
BIP148との違いは、マイナーの80%の同意を待つという点です。マイナーの大勢が決まった状態で初めてsegwit2xが発動するのでビットコインが分裂する危険性は低くなります。そしてNYAでこれに賛同したグループはそもそもマイナーの83%ぐらいの力を持っているのです。
参考 Segwit2x: What you need to know – Jimmy Song – Medium
Bitcoin Scaling Agreement at Consensus 2017 – Digital Currency Group – Medium

 

さて例によって問題点もあります。それはsegwit2xの開発期間が短く、十分なテストもされていないという点です。segwit2xが発動されたら致命的なバグが発生して、ビットコインが死ぬ危険性があります。また、マイナーが同意に含まれているため、BUを主導していたAntpoolの使っていたバグ(Antboost)を塞ぐことができるのか不透明だという問題もあります。

 

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segwit2x派のねらいとしては8月1日までにsegwit2xを有効化するとsegwitが有効化しBIP148が無効化することです。そうして危機を脱したらその後ブロックサイズを2倍にするsegwit2xを10〜11月までにゆっくり完成させて11月にそれを発動します。
参考8/1ビットコイン分裂危機のシナリオ予想 ~8月にビットコインは分裂しません~ – ビットコインダンジョン

 

自分の見方としてはUASFの8月1日の危機はBIP91で回避されて、ブロックサイズを2MBに増やすとき(10月〜11月)にまた揉める可能性が高いのではないかと思います。
しかしBIP91が8月1日までに有効化されない場合UASFが発動します。

颯爽とBitcoin cash (UAHF)登場

そんなさなか7月17日にVIABTC(ココらへんよくわからんので訂正)中国の大手マイナーがUASFは発動した場合、Bitcoincashをつくってビットコインから分裂すると宣言しました。

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まじでいい加減にして欲しくなってきましたが、説明すると、
これは前の記事で説明したBUと同じと考えていいです。
結局のところマイナーの一部はただのsegwitが発動するのは我慢できないようでUASFが発動するくらいなら、ある程度自分たちの自由にできる通貨に分裂したいということなのだと思います。ちなみに詳しく見る気力はありませんが’UAHF’≒’Bitcoincash’≒’Bitcoin ABC’≒’BU’だと考えて良いと思います。
参考 ビットコインの非中央集権性が失われる日 – 西欧の車窓から – Medium
UAHFのいいところとしてはUASFと互換性が無いので、分裂はするもののブロックが後から上書きされて『取引記録が承認されたりされなかったりする』という最悪の状況にはならないということです。
ただし取引所によってはBitcoincashは扱わないと宣言しているところもあるので、Bitcoincashを使いたい場合は取引所から出金して自分のウォレットに保管する必要があるかもしれません。

 

今後の予想

ここまで読んできて大体雰囲気がわかったのであれば、7/20時点の最新の日本語情報はここを聞くのが一番です。
8/1ビットコイン問題の最新アップデート – ビットコインダンジョン

丸投げもアレなので一応こちらでもまとめておくと、

 

今後、上手く行けば

 

BIP91(★追記7/21日朝にロックイン完了。7/23日頃に発動か)

segwit発動

11月にハードフォークで2MBに変更

 

と言う流れになり、NYAが粛々と進められて、ビットコインは分裂しません。割と可能性としては高そうです。

 

しかし最悪の場合、

 

BIP91失敗

8月1日にBIP148発動

ビットコインが元のビットコインとUASFとBitcoincashの3つに分裂

 

もっと最悪の場合「バグでビットコインが崩壊する。」というのも考えられます。まあそこまでのバグなら最悪巻き戻せるし大丈夫だと思いますが、ある意味ビットコインの連続性、正統性は失われるでしょう。

個人的な予想として前者がで話が進み、ビットコインは分裂せず、11月にハードフォークするかどうかでまた揉めると思います。
そして、、

 

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結果みんなうんざりして、LitecoinとかMonacoinとかETH、NEM、IOTAなんかの他の仮想通貨(アルトコイン)に流れていくんじゃないでしょうか。
まあビットコインに仮想通貨の富が集中することもある意味「中央集権的」で反ビットコイン的なのでそれも良いのではないかと思います。

それでは!

 

追記:
最新情報が入りBIP91が7/21の朝9時にロックインしたそうです。
ビットコインのBIP91シグナル、ロックインへ 分岐か収束か | ビットコインの最新情報 BTCN|ビットコインニュース
しかし分岐の可能性も残っています。
ここまで読んできたらだいたい理解できると思いますので、今後のニュースも追っていきましょう!

*1:splitが起こったり元にもどったりを繰り返している状態

【拡散希望】金融庁フィンテックサミットでIBMが詐欺まがいのコインを表彰して炎上

まあ今のところ燃えているのは仮想通貨クラスタのみですが。
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Creative Commons — Attribution 2.0 Generic — CC BY 2.0

ことの顛末

・2014-2015年にFutcoinという詐欺まがいコインが出回る。

2014~2015辺りに暗号通貨界隈を騒がせた国産詐欺シットコインに
FUTCOINというのがあります。
このクソコインはセミナーで高額で販売されるも、その後、大暴落。
高額で購入したカモ達は全員泣き寝入り。
高額商材と同じですね。購入は自己責任とか言いながらも買わせる方向にもっていき、
最後は知らぬ顔。*1

調べてみると大量にプレマイン=発行元が通貨の多くをあらかじめ占有する詐欺まがいのコインだったらしい*2

・2016年6月にFutcoinの関係者が関る(名前だけ変えた?)『LastRoots社』というところが『c0ban』という仮想通貨で金を集め始めて、事情を知ってる人たちがざわざわし始める

http://www.lastroots.com/blog/lastroots-c0ban-c0ban

askmona.org


・なぜか自社サイトでクラウドファンディング(?)を行う。(普通は透明性を確保するためkickstarterなどの第三者のサイトで行うもの)

https://c0bantrade.jp/ja

・無事、詐欺が疑われる仮想通貨に名を連ねる

note.chiebukuro.yahoo.co.jp(ページ下段)

・そんな中、金融庁と日経主催のフィンテックサミットでIBM BlueHubが『cOban』に賞を与える

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金融庁と日本経済新聞社が、グローバルなスタートアップエコシステムの構築を目指すフィンテック・サミットをIBM BlueHubがスポンサーしました。
ピッチコンテストでは「新仮想通貨 c0ban(コバン)」を構築・運営する株式会社LastRootsさんへ、IBM BlueHubよりアワードをお渡しいたしました。今後、IBM BlueHubとの協業の探っていきます!
https://www.facebook.com/IBMBlueHub/

http://finsum.jp/#/finsum.jp(2016.9.24現在なぜか何も表示されない)


・IBMが詐欺コインにお墨付きを与えたと仮想通貨クラスタが騒ぎ始める

godtanu.hateblo.jp
←今ここ!!

 

ポイント

仮想通貨はBitcoin含め、極めて不安定な投機界隈なので、『未成熟なベンチャー』と『初めからコイン売りつけて逃げるつもりの詐欺』との見分けがつきにくい。その上、仮想通貨自体がつい先日(2016年5月)法律で定義されて規制が始まった*3ばかりのもので、なにがアウトで何がセーフかはっきりわからないから詐欺の温床になりやすい。日本以外でも「これホントに動くの」というようなコインがよくリリースされている*4
しかしながら、そういう状況で「値段が上がる」と言ってる時点で十分詐欺的である。当たり前だが、通貨はBitcoinや英ポンドですら上がったり下がったりで、まだリリースすらされていない仮想通貨が上がるかどうかは神のみぞ知る。そもそも通貨が広まったからといってイコール値段が上がるかというと、別にそういうわけでもないのだ
つまりこれ、「これから上場する株を買いませんか。上場したら必ず値段が上がります」と持ち掛ける『未公開株詐欺』と同じ構図である。
本来ならばこのフィンテックサミットは、ダメなコインと将来性のあるコインを、技術のことがよくわからない投資家が見分けるための指標、となるべきものであり、そこが胡散臭いコインにお墨付きを与えた罪は重い。

 

問題点

  • 『金融庁』と『日本経済新聞』と『IBM』のお墨付きがあるので投資詐欺だとしたら被害拡大が捗る。見せ金が含まれているが現在1億円。まだまだ増えるだろう
  • たぶん直接審査はしてないんだろうけど、こんな明らかに怪しいコインを登壇させた金融庁の責任は?
  • IBMのイメージが悪化するのはどうでもいいが、Bitcoinやほかの仮想通貨=『詐欺』のイメージが定着すれば仮想通貨の普及の大きな妨げになる。

詐欺に引っかからないために

・お金を儲けること”だけ”が目的になって投資先のことをまとも調べたり理解しようとしない人は引っかかる。自分がピンとこないものに投資するのはギャンブル。
id:xevra 様を信奉する。(まさか言及しているとは思わなかった。流石である)


・闇金ウシジマくん3を見ましょう(宣伝)
ymkn-ushijima-movie.com

 

番外

他の会社も他人ごとではない。

※ツイート等多数引用させていただきましたが、問題あれば消しますのでid-callかTwitterまで御連絡ください。

*1:IBMの衝撃 – 逆襲のタヌ神

*2:フートコインとか言うのを見つけた – Ask Mona

*3:「情報通信技術の進展等の環境変化に対応するための銀行法等の一部を改正する法律案」

*4:それが全部詐欺といっているわけではない