ビットコインの価格が下がらないただひとつの理由

ビットコイン価格推移
図1 過去1年間のビットコイン価格推移(コインマーケットキャップより)

あけましておめでとうございます。

去年はビットコインの価格がとんでもなく上がった年でした。世間ではビットコインバブルだと言われ、ビットコインはいつか崩壊するだとかもっともらしい噂が囁かれています。

「いつかバブルは崩壊する!」

と言っておけばそりゃ人類滅亡するまでには崩壊するのだから識者は楽な商売です(Jimmyさんをdisってるわけじゃないですよ!)。

俺は識者でもなければ金融の専門家でもなくICT技術者でもありません。ただし、なんとなく界隈であそびつつ数年間無事に生き残ってきた人間ではあるので、暗号通貨がこれまでの常識とは違った働きをするものだということを感じています。そんな自分ですが、なんとなくコインマーケットキャップのチャート(図1)を眺めていたら、ひょっとしたらビットコインってバブル崩壊しないんじゃないの、と感じてきました。

ビットコインはバブル崩壊しない!

タイトルは煽り気味ですが、煽り抜きでビットコインが暴落しないでこのままじわじわ上げていきバランスする可能性はあると思っています。(草コインとちがって自分一人が煽ってどうにかなる時価総額でもないので本当に煽りじゃないです)

その理由は、金融政策です。

ビットコインは金融政策にバランスするのではないか

世界的な潮流もそうですが、日本の今の金融政策はざっくりと言ってしまうと「金融緩和」です。

金融緩和ではお金をたくさん刷り、使わないお金として銀行に預けられてしまわないように金利を下げ、市場で流通するお金(フロー)を増やして景気をよくしようとします。さらに日銀は日本円の価値を下げ物価を上昇させる2%インフレを目標にしています。これは将来的にお金の価値が下がることから個人や企業の行動を貯蓄から消費に向かせ景気を刺激する効果があると考えられています。それに加えて円安誘導になるため、日本でものを作って海外に売る企業が得になります。これも国内企業の景気を刺激する効果があります。

この政策がうまくいっているかいないかという話は今回はどうでもよいのですが、この動きがビットコインのマーケットキャップと絡んできます。

まず前提としてビットコインには、中央銀行と違って中央集権的な管理者がいないので金融政策は取られません。供給量は決まっているため、誰かが恣意的に供給量を増やすことは不可能です。ハードフォークして分裂することはできますが、分裂後の通貨がどちらもビットコインと認められることはないのでこの前提はまだ崩れていないと考えていいと思います。

ビットコインは決済システムのサービスです。決済システムには資金を貯蓄する、というサービスが付随しています。これをStock of Value(SoV)と呼びます。

これまではお金を貯蓄するのは主に銀行の役目でしたがビットコインでも同じことができる、というわけです。ビットコインの決済システムとしてのサービスは、送金トランザクションの詰まりや手数料の急増で通常の買い物などでの決済には使い物にならないレベルになってしまっていますが、お金をためておくだけなら今も十分に役割を果たします。

俺の主張の大枠はこうです、日銀がストックを減らしてフローを増やそうとするとそれの反動でビットコインへのストックが進み続ける。

誰が買っているのか?

実際には上で説明した金融政策はそこまでうまく行っておらず、企業までお金は入っており株価と内部留保は上がっているものの個人の給与に反映されるまでに時間がかかりそうな状況です。さらに個人の資産を保管する銀行は金利で儲けれないため、引き出し手数料で消えてしまうような雀の涙ほどの利子をつけるどころか、今後口座利用料をとることすら検討しています。

こんな状況で個人の取りうる最適戦略は、手持ちの資金で株などの投資に手を出して資産を増やす、ということになります。(これがアベノミクスの狙いなのかどうかはよくわかりませんが)

そんな「投資に手を出さなければ資産が目減りする」という圧力がゆっくりと世間に浸透していっていた状況で登場してきたのがビットコインでした。

株は何を買ったらいいかわからないしどれが上がるかわからない、口座開設とかも必要だし情報も手に入りにくいイメージです。一方で暗号通貨はどうか? 技術は難しいしちょっと怪しいけど口座開設は必要ないし取引所に入金すればすぐに買える。すぐ売る場所もあるので安心感もある(流動性が高い)。上がるか下がるかわからないのは一緒だけど、これまでは上がってきていたのは間違いない。情報もネットにいっぱいある(虚偽も含めてですが)し、横のつながりも作りやすい。

いままで株やFXに手を出そうとして出せていなかった一般層が貯蓄の移動先として手を出していると考えていいのではないでしょうか。

日本人の個人資金がどれだけビットコインに流れ込んでいるのかはデータがないのでわかりませんが、そういう層は投資の素人なので、出口戦略を考えないで入ってきていること、利確したら税金がかかるので利確に対する心理的な抵抗が大きいこと、も売られにくい要素としてあります。税金による売りの抑制効果という点ではコインチェックに上場しているような日本円で直接買えるアルトコインにも同じことが言えます。

それに、投資(投機)であれば日本円に戻すことで終わりなんですが、日本円で資産を所有することが金融緩和によってそもそも不利なのであれば、ビットコインのまま資産の一部としてずっと保持(界隈ではガチホとか言いますが)してしまったほうがいいというのは合理的な結論になります。これはビットコインが曲がりなりにもSoVの機能を持つ通貨であるからできることです。

日本人のみで言えば、お金と貯金が大好きな人たちなので、含み益が増えていくことで満足してしまい、まだ上がる可能性があるのでずっと売らないという可能性すらあると思っています。

バブルが崩壊する要因がない・・・・・・

バブルが崩壊する理由は、投機需要が実際の需要から大きく乖離することです。チューリップバブルなんかはまさにそうですよね。投機によって指数関数的に価格が上がり続けると需要からは必ず乖離するのでバブル崩壊は必ず起こります。

一方でビットコインはどうでしょうか。ここ一ヶ月のチャートを見てみましょう。

ビットコイン価格推移
図2 過去1ヶ月のビットコイン価格推移(コインマーケットキャップより)

この1ヶ月は指数関数的な値上がりはしていません。自分は相場素人ですが、一旦上昇が落ち着いて価格調整局面に入っているようにも見えます。それでも30%近く上下しているのは事実としてありますが、いつも通りといえばいつも通りです。

ビットコインの適正価格と需要

ビットコインには適正価格を測る指標がありません。ただし需要としてSoVを想定した場合個人の資産とビットコインのマーケットキャップを並べてみるのは面白いかもしれないと思いデータを探してみました。

世界の個人金融資産国別ランキング(金融資産は現金、預金、株、有価証券、保険などを含む)

コインマーケットキャップ

とりあえず日本の個人金融資産は世界2位で、17,966,400百万USD(2016年)。ビットコイン全体のマーケットキャップ(時価総額)は288,750百万USD(2018年1月現在)です。

つまりこれだけ価格が上がった今でもビットコインの時価総額は日本の個人金融資産全体の1.6%程度です。だからどうだとは言いませんが思ったより少なかったですね。

当たり前ですが日本だけなのでアメリカなどを含めるとビットコインの割合はさらに小さくなります。

ビットコインは多分まだもうちょっと上がり続ける

金融緩和が今後も続くこと、それにより動きの読みにくいマス層が買っており日本円と比較して貯蓄として保持することが経済的に有利なこと、指数関数的に値上がりせず調整に入っていること、SoVの需要があること、からビットコインは崩壊しないと言えます。正確に言うと30%40%の暴落は普通に起こると思いますが、ビットコインではそんな値動きにも慣れてしまいますよね。

理由がひとつじゃなくなりましたが、まあ根本的には金融政策としての金融緩和のせいということでご容赦お願いします。金融の専門家に意見を聞きたいところです。

その他の理由としてはビットコインでは日本円の取引が多いということも挙げられます。Crypto Compareを見ると、どこの通貨建ててビットコインの取引が行われているのかがわかります。日本円での取引量は全体の3分の1(33%)で、日本人ばかりが購入している実態がわかると思います。今年からETFなどが始まりドル建ての取引が増えることも予想されるので、世界にはまだ参入してくるパイが残されています。

通貨別のビットコインの取引量割合
図3 通貨別のビットコインの取引量割合(2018年1月)

個人的予想

以下はあまりデータに基づかない所感ですが、ビットコインは崩壊しないで価格上昇を続けるけど、どこかでバランスするんだろうなと考えています。その均衡が2018年に起こるのか2020年なのかはわかりませんが。

実は去年のハードフォーク騒動前からビットコインからお金を退避させていてそのおかげで儲かりどころを逃しました。結局去年は大丈夫でしたが、ビットコインネットワーク自体が崩壊すればもちろんビットコインは崩壊するわけで、その危険性はいつまでもつきまとうでしょう。送金詰まりは大きな問題ですが、ネットワーク全体の安全性と比べると、それほど大きな問題ではないのかもしれないと感じています。

自分の本音をいうと価格が崩壊して投機勢が離れていったほうがいいような気もしているんですが、ビットコインが下がらないというスタンスで記事を書いてみました。逆説的にこの説が大勢に受け入れられるようなら、暗号通貨業界が開拓可能なパイが少ないとうことだから気をつけたほうがいいかもしれないですね。

 

※追記

綺麗に落ちました。

Bitcoin Core0.15.0 アップグレード方法(翻訳メモ)

元記事の翻訳です。参考にしてアップデートしよう。

bitcoin/release-notes.md at master · bitcoin/bitcoin · GitHub

 

アップグレード方法

古いバージョンを実行している場合は、シャットダウンしてください。完全にシャットダウンするまで待ってから(古いバージョンでは数分かかるかもしれません)、インストーラを実行するか(Windowsの場合)、/ Applications / Bitcoin-Qtをコピーするか(Macの場合)
または
bitcoindbitcoin-qt(Linuxの場合)をコピーしてください。

最初にバージョン0.15.0を実行すると、チェーンステートデータベースは新しいフォーマットに変換されます。新しいフォーマットには、マシンの速度に応じて、数分から30分かかります。

ブロックデータベース形式もバージョン0.8.0で変更され、バージョン0.8以前からバージョン0.15.0までの自動アップグレードコードはありません。0.7.x以前のバージョンからブロックチェーンを再ダウンロードすることなく直接アップグレードすることはサポートされていません。しかし、いつものように、古いウォレットのバージョンは引き続きサポートされています。

ダウングレード警告

このリリースのチェーンステートデータベースは以前のリリースと互換性がありません。したがって、0.15を実行してから古いバージョンに戻す場合は -reindex-chainstate  、古い形式でチェーンステートデータ構造を再構築するオプションを使用して旧リリースを実行する必要があります。

ノードでプルーニングが有効になっている場合は、ブロックチェーン全体を再ダウンロードして処理する必要があります。

互換性

Bitcoin Coreは、Linuxカーネル、macOS 10.8以降、およびWindows Vista以降を使用して複数のオペレーティングシステムで幅広くテストされています。Windows XPはサポートされていません。

Bitcoin Coreは他のほとんどのUnixライクなシステムでも動作するはずですが、頻繁にテストされることはありません。

【いらすとやでわかる】8月1日ビットコインが分裂したりしなかったりするシナリオ

古い記事にたくさん人が来ていて混乱させては申し訳ないので続きを書くことにします。
これを読めば読んだ人はさらなる混乱に叩き落とされることうけあいです。
技術的な話はいろんな人がしているので、もっとなんかこう雰囲気が伝わる感じに書いていきたいと思います。

 

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【いらすとやでわかる】ビットコイン分裂後のシナリオ

前回の記事は既に古い話なので読まなくてもいいですが、用語の解説とか必要な人は前提知識とか載ってるので読んでも良いかも。

ビットコインアンリミテッド(BU)のその後の顛末

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大手のマイナー(マイナーの意味がわからない人は前記事参照)が主導するビットコインアンリミテッド(BU)がsegwitという新技術の導入を拒み、ビットコインをハードフォークすると騒いでいたのが前回の記事までの流れでした。
その後、取引所がBUの通貨BTUをビットコイン(BTC)とは別に扱うと声明を出したり、BUを主導していたマイナーのAntpoolがビットコインのシステムの弱いところを突いて「ずる(Antboost)」していたことが判明したりしました。segwitが導入されるとそのズルはできなくなります。
さらに畳み掛けるようにAntpoolが開発販売しているAntminerというビットコインをマイニングする装置にバックドア的なバグがあることがバレたりして、BUへの風当たりが大きくなると同時にBUによるハードフォークもトーンダウンしていきました。
というわけで、「BUがハードフォークしても誰も支持しねえだろ」という雰囲気になり、ひとまず分裂の危機は去った、
……かと思われたのでした。

UASF/BIP148の登場

BU爆誕の危機は去ったように見えました。
しかし、ちょっと話を遡って、そもそもBUが騒いでいた原因は何だったのかという話を説明します。
それはつまりビットコインが詰まっていたという話です。
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詰まっていたのはビットコインの取引。

 

ビットコインを「使っている」方なら知っていることですが、ここ数カ月ビットコインの送金手数料が『銀行の振込手数料並に』高価になり、
送金手数料をケチると全然取引が完了しない。という現象が起こっていました。

 

ビットコインの取引は始め、mempoolというところに集められマイナーがそれをひとつのブロックにまとめて検証・承認することで取引が記録される仕組みです。マイナーは取引の手数料をもらえるので、とうぜん手数料を多く払った取引を先に承認しようとします。そのため、取引が混雑してくると、支払った手数料の低い取引(送金)は後回しにされ取引の成立にものすごい時間がかかります。

 

先月なんて酷い時は、数十分で送金するのに日本円で数百円の手数料を払わないといけなかったり、数円分の手数料だと承認まで1週間待たされたり、最悪取引が行方不明になったりという酷い混乱っぷりでした。

 

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BUはこの問題に対して、「一回に承認できる量を自由に大きくできるように変えようぜ」と言ってハードフォークしようとしていました。
一方でコア(コアってなにってひとも前回の記事参照)は「segwitという新技術を投入して承認する取引のデータ量を小さくしたまま取引量を増やせるしそれを早く導入しろ」
という主張をお互い展開していました(おそるべきざっくり説明)

 

結局さっき説明したようにBUハードフォークはトーンダウンしましたが、この問題は先送りになったまま。7月始めまでひどい混雑とmempoolの肥大化が続いていました。
ちなみにコレは重要な点ですがコアがsegwitを導入出来なかったのは、segwitの有効化に「マイナーの95%の同意が必要」というルールがあり、コアがsegwit対応のソフトを配ってもマイナーが対応してくれなかったからです。

 

BUとコアは対立したまま膠着状態、しかしビックカメラとかのおかげもありビットコインの取引量は増え続けていきました。

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そこに突然現れたのがUASF/BIP148です。

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説明しましょう。BIPとはビットコインに提案された技術的な提案のうち、有意味であるものを登録する仕組みです。
BIP148とは148番目のBIPであり、そこに提案されたのがUASFです。

 

UASFとBIP148を簡単に説明すると、

  1. segwitを有効化させたい。
  2. そこでsegwitを含むBIP148に対応したソフトを賛同者に配ります。
  3. BIP148に賛同する人や取引所、マイナーはそのソフトを使用して取引を行ったり取引を検証したりします。
  4. 8月1日になるとBIP148のソフトはsegwit対応じゃないマイナーが作った取引記録のブロックを不正なものとして強制的に『無視』します。
  5. 無視された取引はネットワークに流されず記録が消えてしまうためUASFに対応してないマイナーは報酬をもらえません。それは嫌なのでみんなUASFに対応します。
  6. すると自動的にみんなsegwitに対応する! というかBIP148に対応してない奴らは『無視』してるので当たり前です。
  7. 95%のしきい値を超えてsegwitが有効化します。バンザイ!

つまり、8/1日までにUASFが多数派になっていた場合、マイナーは取引記録をまとめたブロックを作って報酬をもらおうとしても、UASFに無効にされてしまう可能性があるため、確率的にUASFに対応したほうが得になります。
なので、UASFが多数派を取れれば、雪崩式にみんなUASFに対応しsegwitが有効になるわけです。

 

詳しくはこちらを読んでください。
GitHub – bitcoin/bips: Bitcoin Improvement Proposals
BIP-148の内容と影響について | ビットコイン研究所

 

しかしながら、ビットコインのUASFがごく少数だった場合はマイナーは損をする確率が少ないのでUASFに対応する必要がありません。そうするとUASFがいくら発動しても取引をまとめるマイナーがほとんど居ないため取引をさばけず通貨として使用できません。通貨の価値がないのでマイナーには参加する利点がなく、この悪循環でUASF/BIP148は先細りになり消えます。
あくまでユーザーや取引所などがUASF支持を表明し、UASF対応のソフトを動かして、「UASFに対応していないビットコインは使いません」、「UASFに対応していないブロックはネットワークに流しませんよ」と意思を示してしてマイナーに圧力をかける必要があるわけです。
UASF対応のソフトとは、ビットコインの取引を検証して伝播するノードのことなので以降「ノード」と呼びます。

 

さて、これまでのマイナー主導の強制的な仕様変更や、コアの提案する仕様変更とちがって、ビットコインを使うユーザーが主導的に意思表明をしてビットコインに変更を行う、ということでBIP148の賛同者と活動家は、

U(ユーザーによって)
A(アクティベイト=有効化される)
S(ソフト=互換性のある)
F(フォーク=分岐…仕様変更)
と名乗りました。

 

ユーザーの力によってsegwitを選択しビットコインの混雑を解消しようとしたわけです。

UASFの危険性と怒涛の展開、segwit2xの登場

ビットコインの政治をみると三権分立を思い起こさせられます。力をもつマイナーが内閣、技術に長けたコアが裁判所なら、UASFを主導するユーザーはそのまま、民衆とそれを代表する国会でしょう。

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愚衆政治という言葉がありますが、UASFにも強引すぎるやり方からいろいろと危険性が指摘されました。

 

例えばUASFが8/1日に発動した際に、ちょうどUASFの対応したノードがネットワークの半分位だった場合、取引が記録されたブロックは『承認されたりされなかったり』する可能性があります。*1
つまり、最悪な例だと、あるときビットコインを送金して、送金に成功したとしても次の日になったら取引が無効になっている可能性があります。そんな決済システム恐ろしくて誰も買い物とかに使えませんよね。
あと、UASFが実行された時にUASFのビットコインと元のビットコインが完全に2つに別れる(splitする)可能性があります。上の例よりはまだマシですが、前回の記事で説明したような混乱が起こるでしょう。

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そこに颯爽と現れたのがsegwit2x/BIP91、ニューヨークアグリーメント(NYA)です。

 

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さてそろそろうんざりしてきましたが一つづつ説明しましょう。
ニューヨークアグリ―メント(NYA)というのはニューヨークでマイナーやビットコイン関連企業・ユーザーなどがニューヨークのConsensus 2017とか言う会議で5月24日に合意した内容のことです。なんのこっちゃという感じですが、その内容がsegwit2xなのです。
segwit2xというのはsegwitを有効にして、そのあと少ししたらブロックサイズを2倍にしますよという合意のことです。この約束に沿ったソフトは現在急ピッチで開発が進められておりまだ完全なものは完成していません。ソフトの名前もsegwit2xです。
そして最後にこのsegwit2xを有効にする仕組みがBIP91です。BIP91はBIP148と似ような仕組みで、segwit有効化のための95%を実際には80%の同意で達成します。仕組みは単純。80%の同意に達した時点で、20%を無視して切り捨てます。そうすると自動的に95%以上になる、という仕組みです。
こう書くと明らかですが、マイナー版のBIP148だと考えればいいでしょう。
BIP148との違いは、マイナーの80%の同意を待つという点です。マイナーの大勢が決まった状態で初めてsegwit2xが発動するのでビットコインが分裂する危険性は低くなります。そしてNYAでこれに賛同したグループはそもそもマイナーの83%ぐらいの力を持っているのです。
参考 Segwit2x: What you need to know – Jimmy Song – Medium
Bitcoin Scaling Agreement at Consensus 2017 – Digital Currency Group – Medium

 

さて例によって問題点もあります。それはsegwit2xの開発期間が短く、十分なテストもされていないという点です。segwit2xが発動されたら致命的なバグが発生して、ビットコインが死ぬ危険性があります。また、マイナーが同意に含まれているため、BUを主導していたAntpoolの使っていたバグ(Antboost)を塞ぐことができるのか不透明だという問題もあります。

 

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segwit2x派のねらいとしては8月1日までにsegwit2xを有効化するとsegwitが有効化しBIP148が無効化することです。そうして危機を脱したらその後ブロックサイズを2倍にするsegwit2xを10〜11月までにゆっくり完成させて11月にそれを発動します。
参考8/1ビットコイン分裂危機のシナリオ予想 ~8月にビットコインは分裂しません~ – ビットコインダンジョン

 

自分の見方としてはUASFの8月1日の危機はBIP91で回避されて、ブロックサイズを2MBに増やすとき(10月〜11月)にまた揉める可能性が高いのではないかと思います。
しかしBIP91が8月1日までに有効化されない場合UASFが発動します。

颯爽とBitcoin cash (UAHF)登場

そんなさなか7月17日にVIABTC(ココらへんよくわからんので訂正)中国の大手マイナーがUASFは発動した場合、Bitcoincashをつくってビットコインから分裂すると宣言しました。

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まじでいい加減にして欲しくなってきましたが、説明すると、
これは前の記事で説明したBUと同じと考えていいです。
結局のところマイナーの一部はただのsegwitが発動するのは我慢できないようでUASFが発動するくらいなら、ある程度自分たちの自由にできる通貨に分裂したいということなのだと思います。ちなみに詳しく見る気力はありませんが’UAHF’≒’Bitcoincash’≒’Bitcoin ABC’≒’BU’だと考えて良いと思います。
参考 ビットコインの非中央集権性が失われる日 – 西欧の車窓から – Medium
UAHFのいいところとしてはUASFと互換性が無いので、分裂はするもののブロックが後から上書きされて『取引記録が承認されたりされなかったりする』という最悪の状況にはならないということです。
ただし取引所によってはBitcoincashは扱わないと宣言しているところもあるので、Bitcoincashを使いたい場合は取引所から出金して自分のウォレットに保管する必要があるかもしれません。

 

今後の予想

ここまで読んできて大体雰囲気がわかったのであれば、7/20時点の最新の日本語情報はここを聞くのが一番です。
8/1ビットコイン問題の最新アップデート – ビットコインダンジョン

丸投げもアレなので一応こちらでもまとめておくと、

 

今後、上手く行けば

 

BIP91(★追記7/21日朝にロックイン完了。7/23日頃に発動か)

segwit発動

11月にハードフォークで2MBに変更

 

と言う流れになり、NYAが粛々と進められて、ビットコインは分裂しません。割と可能性としては高そうです。

 

しかし最悪の場合、

 

BIP91失敗

8月1日にBIP148発動

ビットコインが元のビットコインとUASFとBitcoincashの3つに分裂

 

もっと最悪の場合「バグでビットコインが崩壊する。」というのも考えられます。まあそこまでのバグなら最悪巻き戻せるし大丈夫だと思いますが、ある意味ビットコインの連続性、正統性は失われるでしょう。

個人的な予想として前者がで話が進み、ビットコインは分裂せず、11月にハードフォークするかどうかでまた揉めると思います。
そして、、

 

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結果みんなうんざりして、LitecoinとかMonacoinとかETH、NEM、IOTAなんかの他の仮想通貨(アルトコイン)に流れていくんじゃないでしょうか。
まあビットコインに仮想通貨の富が集中することもある意味「中央集権的」で反ビットコイン的なのでそれも良いのではないかと思います。

それでは!

 

追記:
最新情報が入りBIP91が7/21の朝9時にロックインしたそうです。
ビットコインのBIP91シグナル、ロックインへ 分岐か収束か | ビットコインの最新情報 BTCN|ビットコインニュース
しかし分岐の可能性も残っています。
ここまで読んできたらだいたい理解できると思いますので、今後のニュースも追っていきましょう!

*1:splitが起こったり元にもどったりを繰り返している状態